昨晩はぐったりと疲れて家に帰り
イラストの仕事をしようと思ったんだけど
とりあえずメシを食おうと
蕎麦を茹でてもりで食べた。
冷奴とね。
冷奴には「わたがらす」をのせてね。
「わたがらす」は綿で出来た烏じゃないよ。
要するに「酒盗」。
沖縄では「わたがらす」と呼ぶ。
今回買った瓶はちょっと水っぽいけど
まあ美味しいのである。
ああ、蕎麦だね、冷奴だね、夏だね。


ただ黙々とメシを食うのもなんだからとテレビをつけたが
面白い番組などあるはずもなく
『夢幻琉球』という、数年前にNHK-BSで放映された
大城美佐子さんのパリ公演の番組のDVDを観る。
これは映画『ウンタマギルー』や
嘉手苅林昌さんの記録映像『嘉手苅林昌〜唄と語り〜』の監督・高嶺剛
大城美佐子さんのパリ公演に付き添い撮りおろしたものだ。
ウンタマギルー』を観た人なら判ると思うが(いますか?観た人…)
高嶺さんの撮るものはかな〜りアヴァンギャルドっちゅーかハチャメチャというか
劇中劇的に入ってくる「お話」とかけっこうぶっ飛んでて面白い。
それは高嶺さんが過去に大城美佐子さんを主役に立てて撮った
『夢幻琉球〜ツルヘンリー』の続編という形をとっているのだが、
その『夢幻琉球〜ツルヘンリー』がまたムチャクチャで…。
判らん人にはさっぱり判らんだろうし
また判って欲しいとも思っていないようないさぎよいぶっ飛びっぷりなのだ。
しかしそのぶっ飛びっぷりがまた心地よくもあり
意味なんか考えずに、その世界にどっぷり浸っていればよいという類の監督なのです。
映像の中の大城美佐子さんはクルクルと可愛く笑い
唄うときの表情もあくまで優しい。
パリの空の下で、リラックスと程よい緊張を得ながら
島唄の世界を体現している様が伺える。
この番組はもう何度も繰り返し観ているのだが
はにかむように品よく笑う大城美佐子さんがなんとも可愛らしく
ついついまた観てしまう。
実際にお会いしたときそのままでとても嬉しいのである。
そしてセーヌ川のほとりでの、ジャズピアノ・プレイヤーとの競演は圧巻。
編集の都合上通しで聴けないのは実に残念!
音数の少ない沖縄音階の行間を素早く読み取って
当意即妙ともいうべきフレーズを繰り出していくピアニストの指先に
「音楽」というものの奥深さを感じずにはいられない。
「国境」も「言語」も「文化」も、いとも簡単に飛び越えて
ふたつの音楽がひとつに融けていくいく瞬間を
高嶺剛のカメラはバッチリ捕らえている。


さて、DVDを観終わったあと、よし、仕事だと机に向かったんですけど
まったくはかどらず…(涙)。
気がついたら机に突っ伏して寝てました。
受験生かよ・・・。