じどうしゃ]さよなら、セリカ

hacchaki2006-04-26

トヨタセリカが生産を終了した。
日産シルビア、マツダRX-7、ホンダプレリュードと
80年代〜90年代初めにかけて日本の自動車業界を賑わした
スポーツタイプの1車種が、またひとつ消えていく。
哀しい…。


今はスポーツカーが売れない時代だ。
それにはいろいろな要因があるようだ。
ひとつは環境・エネルギー問題。
貴重な化石燃料をガブガブ飲み干して
排気ガスをボーボー撒き散らしながら走るスポーツカー。
エコだの地球に優しくだのって観点から世間の目は冷たい。
日本の交通状況がスポーツカーを必要としていないというのもある。
高スペックなスポーツカーを買ったところで
その性能を生かすところがどこにあるっていうの?ってこと。
街なかから首都高速までビッシリ渋滞。
かりに渋滞が無くたって制限速度がある。
280馬力のクルマだって70馬力のクルマだって
100キロ以上出せる場所なんて日本に存在しないのだ(法律上は)。


昭和30〜40年代生まれの男の子はたいがいクルマが好きだった。
(そうじゃない人もいたけど)
颯爽と風を切って街を駆け抜けるクルマは、みんなのアコガレだった。
18歳になったらまずは免許、なにはなくても免許。
そしてバイトしてスポーツカー買って女の子助手席に乗せてドライブだぁ!と。
いま40〜50代のおじさんたちの若い頃はそんな感じだった。
(そうじゃない人もいましたよ、もちろん)


今の若い子にとってクルマって“家電”みたいなものらしい。
移動手段のひとつとしていかに快適(つまりラク)であるか。
「運転する楽しさ」みたいなのは二の次、三の次らしい。
以前20代のいとこたちのクルマ談義に耳を傾けていたら
ミニバンの名前しか出て来なくてビックリした。
「エルグランド、チョーカッコイイよね〜。」
「オレはアルファードがいいなあ。」
え、それってカッコのいい悪いを語るタイプのクルマでは…。
まあ、“カッコイイ”の価値観は人それぞれなので
それに文句をつけるわけにはいかないんだけど
彼らの口から「RX-7」も「GT-R」も「ポルシェ」も「フェラーリ」も
出てくることはなかった。
「はっちゃきさんはなに乗ってるんですか?」
「ん?ユーノスロードスターって言うんだけど(内心得意げ)。」
「ああ、あの小さいの。ああいうのってナニが楽しいんですか?
大体不便だし、狭いし、2人乗りだし、いいことないじゃないですか〜。」

あわわ…(号泣)。


クルマってアコガレの乗り物だったんよ…。
クルマってワクワクするものだったんよ…。
クルマって運転して楽しい乗り物なのよ…。