ソウル・フラワー・モノノケ・サミット『DERACINE CHING~DONG』(修正あり)

ソウル・フラワー・ユニオンは「目つきの怖い男の人がいるバンド」というイメージしかなかった。
平安隆さんの唄う映画『豚の報い』のエンディング・テーマ『満月の夕』が
ソウル・フラワー・ユニオンの曲のカヴァーだと知って
彼らのベスト盤を買ったのが最初だ。
平安さんの唄ううちなーぐちバーションの『満月の夕』も名曲だった
オリジナルの『満月の夕』もまた名曲だった。
その後リーダーの中川敬登川誠仁先生のアルバム『スピリチュアル・ユニティ』のプロデュースをしたりと
何かと目につく活動をしていた彼らが
ソウル・フラワー・モノノケ・サミットというちんどんバージョン名義として
ひさびさのニューアルバムを発表。これが名盤!
ということでここでご紹介。

曲目をざっと見ただけでもワクワクするラインナップ。
『くんじゃんジントヨー』『チョンチョンキジムナー』といった
沖縄フリークにはおなじみのタイトルから
『竹田の子守唄』『お富さん』『三池炭坑節』『ドンパン節』といった
日本の庶民の中で明治、大正、昭和と唄われ来た民謡など
親しみやすい楽曲の数々が聴く人を魅了する。
とくに『くんじゃんジントヨー』はやまとぐちで唄っているが
「ああ、このやり方があったかー」
と思わせられる。
でもこれ、しろうとがやるととてつもなくダサくなるんだよね・・・。


いまや死語となりつつある“大衆”という言葉がぴったり似合う。
「大衆芸能j」と言う言葉がしっくりくる。
肩の力を抜いて、ホットに、クールに、ふてぶてしく、ひょうひょうと
大衆の喜びを、悲しみを、やさしさ、したたかさを唄で綴る。
ホントにカッコイイ。
ブルース、ファンク、民謡、パンク、いろんな要素を消化しながら
堅苦しくなく聴かせてくれる。
今年一番の名盤!ぜひ!!

デラシネ・チンドン

デラシネ・チンドン