『用心棒日月抄』藤沢周平

藤沢周平が大好きで、作品はほとんど読みました。
市井に暮らす江戸時代の庶民のつつましやかな暮らし、
ごくありふれた下級武士の日常などのなかに
キラリと光るしずくを描き出すのが素晴らしい。
なによりも文章が美しく読みやすい。
そして出て来る人々が活き活きとして清々しい。
数ある藤沢作品のなかでも好きなのが
『用心棒日月抄』シリーズ。
これは4巻からなる連作ですが
本当に面白くて何度も読み直しています。
繊細で清廉な文章のなかに飄々と江戸のヨノナカを渡って行く
キャラクターたちがイキイキと痛快に描かれて
何度読み返しても楽しい。
今もまた最初から読み返してます。
以前NHKでドラマ化され
村上弘明と渡辺郁恵の旦那が主演。
郁恵の旦那はイメージ通りでかなりハマっていてよかった。
あ〜このひと役者だったのね、と再確認した次第で。
主役の村上弘明はちょっと固かったなあ。
今やるならオダギリジョーあたりがよいかな〜。
誰か映画化してくれないかな〜。

家の事情にわが身の事情、用心棒の赴くところ
ドラマがある。青江又八郎は二十六歳。故あって
人を斬り脱藩、国許からの刺客に追われながらの
用心棒家業。が、巷間を騒がす赤穂浪人の動きが
活発になるにつれて、請負う仕事はなぜか、浅野
・吉良両家の争いの周辺に…。江戸の庶民の哀歓
を映しながら、同時代人から見た「忠臣蔵」の実
装を鮮やかに捉えた、連作時代小説である。
(『用心棒日月抄』解説より)

用心棒日月抄 (新潮文庫)

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