追悼

なんて書いたらいいかわからない。
でもなかったことのようにして
他のことなど書けないので書きます。


三線を通じて知り合ったチャーミングな友達が
昨日交通事故で亡くなりました。
知らせを聞いたとき頭が真っ白になりました。
彼女のことはそれほど深く知っているわけではないけれど
何度かお話をして唄三線にもすごく情熱を持っていて
これからいろいろ絡めるといいねってお互い話してました。
ワタクシのライブにも何度か足を運んでくれました。
足テビチの女』をとても気に入ってくれて
とくに「サンテンヨン」のときにすごく盛り上がってくれて
客席で大はしゃぎしていた姿は忘れることができません。
また、4月の川崎チッタではとても真剣なまなざしで
ステージを見つめてくれていました。
人懐っこくてフワフワしていてエネルギッシュで
とても魅力的な「愛されキャラ」の人でした。
先週末新しく自分のお店を開店させて
「さあこれから」ってときになぜ……。
オープンしたてはゴタゴタしているだろうから
少し落ち着いたらお祝い持ってフラッと遊びにと思っていたのに。
「お店で『足テビチの女』唄ってくださいね〜」って
笑顔で言ってくれていたのに。


今日知らせを聞いた瞬間に
自分を唄三線に誘ってくれたNのことを思い出しました。
Nは沖縄料理屋でカラオケで『島唄』を熱唱していた自分に
「兄さん唄上手だね〜。一緒に三線習わない?」
と声をかけてくれました。
彼の誘いがなかったら今自分は唄三線やっていたかどうかわからない。
その彼は知り合って2年後に
「沖縄料理屋をやりたい」と修業のために
長年と勤めたバイクショップをやめて沖縄料理店に就職し
そのお店で開いてくれた歓迎会の帰りに交通事故で亡くなりました。
こんな言い方は失礼なのかも知れないけれど
すごく彼女とNがオーバーラップしてならない。
もう誰も亡くなって欲しくない。
「死ぬな!」って言いたい。


知らせを聞いたとき
ちょうど新しく自分の教室に入る方おふたりに
三線を受け渡ししているところでした。
ふたりが「唄三線を始めたい」と思ったきっかけは
彼女が所属するグループのライブを観たからだそうです。
いわば彼女のおかげで三線を始めたようなもので。
そこからもNとダブルんだな。きっと。
そんなふたりがうちの教室に入ってくれるというのも
なにか「縁」のようなものを感じずにはいられません。


彼女とはもっと深く関わりたかったけれど
それはもう叶いません。
でもこうして彼女の何かを少しでも継いでいる人
また彼女の周辺で彼女を愛した人たちと
これから関わって行くことができるならば
彼女もあちらで喜んでくれるかなと思います。


彼女のご親族、そして親しかった友人の方たちの気持ちを思うと
ワタクシのようなものが何も言えないけれど
本当に残念な気持ちでいっぱいです。

彼女の冥福を心からお祈りします。
あちらの世界でNと出会ったら
一緒に唄三線して遊んでいて欲しいです。
またあちらの世界には偉大な唄者たちがいっぱいいるから
その人たちと沢山唄遊びしていて欲しいなと思います。
彼女に出会えたことを心から感謝します。