煙草の思い出

hacchaki2011-05-13

煙草、23銘柄が廃止になるそうですね。
だいたい煙草、種類多すぎ。
「マイルド」だのなんだのと次から次へと
そんなに種類多くしてどれもみんな買ってるのかね。
自動車なんかもこの狭い日本に
なんであんなにいろんな車種があんのかねと思うけどね。
「企業努力」ってヤツでいろいろ開発しちゃうんだろうね。
だから煙草も種類が整理されるのは
世の中的に当然の流れだし
コンビニの店員さんにとってもいいことなんじゃないかなあと思ったり。


そんなこと言いながら
煙草はもう4年前に吸わなくなったので
直接関わりはないことなんだけれど。
今回廃止される中に自分が吸ったことある煙草はないなあ。


初めて吸った煙草がなんだか忘れたけど
吸い始めの頃はずっと「キャスターマイルド」。
学生時代はずっとそれだった。
あんまりクセがなくて吸いやすいタバコだった。
営業マン時代は「セーラムライト」。
メンソールがブームだった。
スーッとする感じは確かに気持ちよかった。
たまに尊敬する上司が吸っているのを真似て「ピースライト」。
これは香りがちょっと独特でちょっと甘ったるくて美味しかった。


20代後半からはずっと「ラッキーストライク」。
シンプルなパッケージデザインが好きだった。ソフトケースね。
もちろん味も香りも大好きだった。
「ザ・煙草」って感じの深い味わい。
ハーレーに乗ってアメリカ大陸を何処までも走っていくような
ワイルドな風味(これはCMのイメージ)。
開高健先生のエッセイに「ラッキー」の話が出ていたのも
「ラッキー」好きに拍車をかけた。


「ラッキー」が手に入らないときは「セブンスター」。
その二種しか吸わなかったなあ。
自分が煙草辞めた頃の値段は確か「ラッキーストライク」が
280円だったような。
今は400円越えてるのね。
もう二度と吸えないわ。高くて(笑)。


吸っているときは「絶対やめないぜ!」って思っていた。
「のどによくない」って言われても
「そんなことでやめるなんてロックじゃないぜ!」
って言ってた(実際ロックじゃないんだが)。


煙草を吸う一連の動作が好きだった。
煙草をケースから取り出して
トントンとフィルターをそろえて口にくわえ
ライターを手にして空いている手で口元を囲みながら火をつける。
この一連の流れは何か宗教的な神聖な儀式めいたものがあった。
いつのタイミングでもその動作をしているとき
軽い自己陶酔のような脳がしびれる感覚が付きまとって心地よかった。
だからその感覚を味わいたくて
煙草を吸い続けていたといってもよい。
ええ、ナルシストですとも。
ってそんなこと考えながら吸ってたのワシだけかな。
しかし開高健先生もエッセイで同じようなことを書いていた。


だが、やめてみるとやはり声の出方が全然違う。
楽に声が伸びる。とくに高音。
空気抵抗バリバリのワンボックスカーとF1くらい違う。
扁桃腺も吸っているときより腫れなくなったように思う。
そもそも扁桃腺持ちが吸うなって話なんだが。
もう戻れないな、煙草生活には。


でもふとした拍子に
また吸ってしまうような気がしなくもない。
別に気負ってやめたわけでもなく
風邪を引いてそのまま吸わなくなっただけなので。
そうならないように、今吸っている人には悪いけど
もっと高くなればいい、
なんならひと箱1000円くらいになればいいと
ひそかに思っているのです(笑)。