NHK『映像の世紀』

20世紀はそれまでの世紀となにが違うって
それは「映像で記録された世紀」であるということ。
歴史的出来事のあれやこれらを後から観るということができるのは
人類の長い歴史の中で、やっとここ100数年にしか過ぎないという事実を
改めて思い知らされる。


そしてもうひとつ感じるのは
ここに映像によって記録された歴史的事象の数々が
歴史の教科書を疑似体験できる素晴らしい装置なのだということ。
TVで放映された当時
ビデオに録画して何度も何度も観直した。
とくに1巻と8巻は何度も観た。
(1巻は映像時代の幕開けについて。2巻は映像で綴られる日本史)
18世紀の終わりに映像記録装置を発明したリュミエール兄弟
工場から出てくる人波や駅のホームに入ってくる機関車を撮った
「世界で初めての映画」。
これはきしくも今年のフランス映画祭
スクリーンで観る事ができたのはとても幸運なことだった。
フランスで初めて公開されたとき人々は
画面の中で迫り来る蒸気機関車に慌てふためいて逃げようとしたらしい。
その臨場感を21世紀に生きるわれわれも味わうことが出来る。
下手なCG映像なんかよりもリアルな迫力がそこには息づいているのだ。
このドキュメンタリーにはそうした歴史上の“生の空気”が
そのまま封じ込められた映像がたくさん出てくる。
加古隆による音楽も、まったくもって素晴らしいです。


やがては歴史の彼方へと遠ざかっていくであろうさまざまな出来事。
それらをまとまった形で観ることが出来るのは本当にありがたや〜なわけで。
とっても欲しいDVDボックスではあるが
なにぶん値段が値段なので…。
しばらくビデオで我慢するか、と言いたいところだが
ビデオデッキは壊れてるし…(涙)。

NHKスペシャル 映像の世紀 SPECIAL BOX [DVD]

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