NEWロードスター試乗レポ〜続き〜

hacchaki2006-01-17



<走り>
エンジンは2リッター化による恩恵で
トルクが増して扱いやすそうな印象。
でも上までヒュンヒュン廻るエンジンじゃないのは残念。
そろそろ、これぞ「スポーツカーのエンジン」っていうのが欲しかったなあ。
(NAの頃は「ホンダのVTECに乗せ替える」なんて神話が
まことしやかにささやかれていた。
実車にお目にかかったことはないけど。)
まあこの辺は手の加え甲斐があるということか。


動き出すと紛れも無い「ロードスターの世界」なのがウレシイ。
足回りはゴツゴツしてなくて懐が深い。
しっかり仕事してまっせ〜という感じのサスセッティングが好印象。
2リッター化&ボディ強化などにより
乗り味も重たくなったかというと全然そんなことはなくて
NAの軽快感がしっかりと引き継がれている。
ちゃんと正常進化しているって感じですね。
幌は開けなかったんだけど
窓を閉めている限り音は静か。
しっかり音チューニングされたマフラーが
スポーツカー心をくすぐりますな。
フロントウィンドは高さがNA、NBよりも低くなったのか。
横方向に余裕ができたため
結構幅が広いように感じる。


スピードを上げたときの直進安定性は問題ないレベルだけど
ものすごくドッシリしている感じではなく
「いつでもステアリング切れば曲がります」って感じが好ましい。
むしろワタクシのNAの方がドテッとしてないかい…?
終始感じるのは「軽快感」。
ここが損なわれることなくちゃんと2006年基準に
安全性、品質その他がレベルアップしているのは
誠にウレシイ限りです。
あと最近のマツダ車に共通して言えることだが
ブレーキ剛性がとても高い印象で、これもよかった。
アテンザが出たときに試乗した一番の好印象もブレーキだった。
飛ばすと適度にロールしながらしっかりと踏ん張ってくれる足回り。
的確に鼻先を曲がる方向に向けてくるステアリング。
ああ、楽しい〜。
NAよりもノーズの先端がわかりにくいしなにより試乗車だから
コワゴワと運転してましたが、それでも楽しい〜。
ATのパドルシフトはゲームっぽくて面白い。
慣れるとけっこう楽しめそう。
ATじたいもNAのころから比べたら100倍素晴らしく
(いまのオートマって賢いのね〜)
これならAT車でもオススメできますな〜。
NAのころのATはヒドカッタもんなー…。


30分ほど運転させてもらったけれど
慣れてくるにつれて「い〜じゃんい〜じゃん!」
と顔がほころんでくるような試乗でしたYO。


<まとめ>
前モデルからの実質的な価格UPがどのくらいになるのか
よくわからないんだけど。
NAは基本モデルの車両本体+エアコン=200万円ジャストくらいだった。
NCはベースモデルでもエアコン標準装備で220万円なので
NAからすると20万円くらいUPしたことになりますね。
走りに振った装備が自慢のRSグレードで250万円。
ビルシュタインダンパーや17インチアルミホイールが付いて
この価格はグッジョブな気がする。
いずれにしろ、依然として200万円台前半で
これだけ楽しいスポーツカーが買えるってのは
ありがたい話ですなあ。


雑誌『ENGINE』での開発主査立花さんのコメントでは
ベンチマークはポルシェ・ボクスター」とあった。
あちらはMR(ミッドシップ)レイアウト。
ロードスターはFR。
この違いはあれど、ボクスターは570まんえん。
そう考えるとやっぱりロードスターはスバラシイ。
そこそこのパワーを最大限に使い切って
クルマと一体感を得るという「人馬一体感」。
このコンセプトは見事に受け継がれているなあと実感。
クルマを走らせる楽しさでは
けっしてポルシェに引けをとらないんじゃないかな〜なんて
ボクスター乗ったことないワタクシが言っても説得力ないか。


なんにしてもNEWロードスター
かなりヨカッタ。楽しかった。
(ATでもそう感じられた。)
雑誌のインプレッションなどで「日本の宝」と表現されているのを見ると
つい嬉しくなってしまうが、
やっぱり自分もそう思う。
他にないもんね、こういうクルマ。


でも、買い換えないけどね。
NAの「素」の魅力はやっぱり捨てがたい。
それ以前にお金がないけど…(爆)。
あと、かなり「立派なクルマ」になったな〜って印象は
乗るほどに強くなった。
NAのそっけなさというか前時代的なエンスーっぽさからは
かなり遠いところにあるんではないか。
NAがデビューしてからもう17年。
そろそろプチ・クラシックカーだもんなあ、NA。
そう考えればこの2台にそれなりに隔たりがあるのも当然か。


次回は是非MTを試乗したい。
屋根も開けてみたいですな。