見る目がない

hacchaki2006-03-23

ふと、思い出したことなので、ここに記しておきます。


あれは10数年前、大学4年生だった頃の話。
卒業した大学の音楽サークルの先輩が結婚することになり
我々同期のサークル仲間は2次会に呼ばれた。
場所は忘れたが確か青山だか渋谷だかの
ライブのできるレストランみたいなところだった。
その先輩はとある大手音楽事務所に就職していたので
「業界の人も来るのかなあ」なんてちょっとドキがムネムネ。
やがて結婚披露宴を終えた新郎新婦が入場し
披露宴の様子を映したビデオがモニターで流されたりして大盛り上がり。
なにしろサ○ンの桑○さん夫妻とかがフツーに招かれているような
モロ業界チックな結婚式なわけで。
音楽業界のハシニモボウニモかからないようなバンド活動をしていた
ヘタレ学生にとっては眩し過ぎる光景なわけで。
父さん、東京はスゴイトコロなわけで。


で、二次会は進み、先輩のプロダクションからデビューする新人バンドが
余興で曲を披露するという段になりますた。
バンドは男4人組。色の白い線の細い軟弱げな男たちだった。
「僕たちもうすぐデビューしま〜す。ではデビュー曲聴いて下さ〜い。」
とリーダーと思しきヤサオトコがしゃべり演奏が始まる。
我々は最初からナンじゃこいつらという顔で
思いっきりハスに構えて彼らの歌を聴いていた。
「なんだかなあ〜、ロックじゃね〜ぜ、こいつら。」
「はいはい、軟弱ポップ路線ですか。」
「だいたいバンド名、変じゃね?」
などと我々は好き勝手なことをホサイでいた。
そこには「もうすぐメジャーデビューする」という彼らへのジェラシーも
たっぷり込められていたが、とにかく結構なケナシようだった。
いちミュージシャンであることを辞め
音楽ビジネスの渦に身を投じて成功を収めている先輩への
屈折した思いもあったのでしょう、ええありましたとも。
でも、実際に彼らの演奏にはピンと来なかったしーー。
とにかく「なんだこいつら」という姿勢を我々は終始保ち続けた。


…そして、そのバンドは呆れ返るほどの大成功を収めて
いまやベテランの部類に入っている。
彼らの名前は・・・いや、やめておこう。
『ミ○ター・○ル○○○』とだけ書いておく。
ホントに見る目がなかったのね、オレタチ…トホホ。
一緒に写真撮っておけばよかった。