とりとめのないはなし(修正あり)。

今年はさんまが美味しい。
世の中的に美味しいかどうかはわからないが、自分的に美味しい。
野毛『一の蔵』のさんまはこの秋のマイ・フェバリット・メニュー。
もう秋になってから10回以上食べたね。
大根おろしに絡めて食べるワタは
ねっとりとほろ苦い中にもしっとり上品な甘みがあって
こりゃビールが欲しくなるね。ウソ。飲めないし。


さんまは野毛に限る、と言いたいところだが
世間的には「さんまは目黒に限る」と言うことで
落語『目黒のさんま』を聴きたくなり
家のビデオケースを漁るが出て来ない。
そもそもないんだよな〜聴きたいなあ。
しかたがないから柳家小三治師匠の『千両みかん』を観る。
この話は真夏の盛りの舞台設定だし
みかんとさんま、という食材がテーマという共通項しかない。
でも面白かった。
サゲはもう少しカラリと勢いよく終わらせてもいいんじゃないかと思ったが
師匠はジワリ、と来るような終らせ方だった。

   『千両みかん』
ある商家の若旦那が寝込んでしまい
日々容態が悪くなって行く。
医者から「これは気の病」と言われた両親は
店の番頭を差し向けその原因を探らせる。
晩冬がやっとこさっとこ探り出したところ
「みかんが食べたくて・・・。」
なんだ、そんなことで悩んで床に臥せっていたのか、
それなら私がみかんを買ってきましょう!と安請け合いした番頭。
だが時節は真夏の暑い盛り。
みかんなんぞ江戸中探してもあるはずがない。
「お前が安請け合いしたのが原因で息子が死んだら
お前は殺人の罪で磔獄門だ」と脅された番頭は
必死でみかんを探すが・・・。

小三治師匠は、少し間の抜けた人物の造形が実にうまい。
聞いていてイライラしてしまうような間抜けを
実に愛らしくすっとぼけて演じる。いわゆる与太郎もの。
『味噌蔵』の小僧と味噌屋の旦那のやりとりなんか好きだなあ。
あと酔っ払いの描写なんぞも秀逸。
でも聴きたかったのは『目黒のさんま』なのだ。
仕方がないので、今日の昼は野毛『一の蔵』に行こうと決めたのだった。
弁当制作はきのうの「油跳ね事件」でちょっと萎えた。


きのうは三線教室だったが人が少なかった。
前回は10人くらい来たのできのうはじっくりとできた。
メインメニューは『汗水節』。
この曲は最初あまり興味がなかったのだが、最近唄っていて面白い。
そういうことってよくあるのだ。
「御万人ぬ為ん 我が為と思てぃ 肝勇み勇み 尽くしみしょり」
この歌詞が好きだ。
こういう唄を力まずサラッと、なおかつ味わい深く歌うのは難しい。
最近のテーマは「いかに力を抜くか」。
人に教えながら、常に勉強。
教えることで気づくことの多さ。アリガタヤ。