『マブイの旅』(DVDで鑑賞)

hacchaki2007-03-13

大好きな映画で、もう何度も観ているんだけど
先週久しぶりに観ました。
10度目くらい。泣けた。


妻子に捨てられて自暴自棄になった中年男が
たどり着いた場所は沖縄。
酒浸りの日々。
娼婦を買う。飲む。吐く。その繰り返し。
落とした「マブイ(魂)」は帰らない。
そこで出会った娼婦。
ハチャメチャな生活をしながらも
「生」の炎を燃やす彼女に男は…。


名脇役として知られる山田辰夫の初主演作。
ホントいい味出しています。
彼の起用なくしてこの映画は完成しなかったとオモワレ。
フツーの、ちょっとパッとしないオヤジを好演。
ダメカッコイイ!
娼婦役には富樫真。
でかい声でわめくわ、がに股で歩くわ、
なんだかものすごい女なんだけど
でもキラキラと輝いていて。
そんな娼婦をまさに体当たりで演じている。
その他には娼館の女将役の絵沢萌子がいい。
したたかで、でもちょっと抜けてて、
いい歳して変に色気もあったりしてかわいい。
いるいる、沖縄に行くとこんなおかあさん。


映画の作りはけっこう荒削りだし
セリフの聞き取りにくい所があったり
編集が雑だったり、セリフが浮いてたり。
だけどそれぞれのキャラクターがいとおしいほど魅力的。
観光地としてではなく、もちろん“楽園”としてでもなく
素手で触ったような感触のザラザラした沖縄がそこにある。
マイ・フェバリット・沖縄映画ベスト5に入ります。
なんか定期的に観たくなります。


いくつか好きなセリフがあるんだけど
そのなかのワンシーン。
 男  「見つからないんだ。」
 女  「なに…マブイ?」
 男  「取り戻せるかな。」
 女  「マブイなんてなくたっていいよぉ。
     あんたと一緒に居させてよぉ…。」
泣けます…。

マブイの旅 [DVD]

マブイの旅 [DVD]