『かもめ食堂』(DVDで鑑賞)

やっと観ることが出来ました話題作。
スローフードならぬスロームービー。まさしく。
そして食堂が舞台なので料理の映像が数々出て来るのですが
それがどれも美味しそうで。おなかが鳴ってしまいます。

サチエ(小林聡美)がヘルシンキで始めたかもめ食堂
はじめはお客さんが全く入らず鳴かず飛ばずなのだが
ガッチャマン』の唄がきっかけで知り合ったミドリ
片桐はいり)、ふらりと立ち寄ったマサコ(もたい
まさこ)とともに店を切り盛りするうちに徐々に客足
も増えて…。

主人公のサチエは常に凛として前向き。
一見クールに見えるけどべたつかない優しさに満ちていて
小林聡美にはまさにピッタリの役であろうと思われ。
彼女は日本で今一番ノっている女優さんかも知れないね。
しかし主人公があまりにも超然としているので
「心の揺れ」や「葛藤」、そしてそれを乗り越えて行く
といったドラマが好きな人には少々もの足りない。
ワタクシもどっちかというとその点ではもの足りなかった。
もたいまさこ片桐はいりはかなりアクの強い女優さんだけど
もたいまさこはいつも通り。
やっぱり猫が好き』のカヤノ姉ちゃんキャラ。
片桐はいりはその風貌からエキセントリックな役が
多い女優さんだけれど
今回は繊細な演技を観せてくれて彼女のよさが
引き立っていたように思います。


どの登場人物もその背景や内面についての描写は
最低限に抑えられている訳ですが
そういった演出は、この寓話的な物語、そして
かもめ食堂」という舞台装置には効果的だったと思う。
日常生活においても人はバーで隣に座った人の
背景や内面など知らずに会話していたりするもので
もう知り合って何年にもなるのに
その人がどんな仕事しているのか知らない
なんてことはよくあること。
よけいな知識なんていらないっちゃーいらないわけで。


そう言った意味でこの映画を観ていると
かもめ食堂」の客のひとりに自分が溶け込んだかのような
気分に浸れること間違いなし。
ヘルシンキ、寒そうだけど、寒い所も
また悪くないって気になります。

かもめ食堂」の一番のウリであるおにぎり、
いったいどんな味がするのだろう。
でもおにぎりよりシナモンロールのほうが
美味しそうに見えたんだけど……。

かもめ食堂 [DVD]

かもめ食堂 [DVD]