「ONE FOR ALL」

hacchaki2008-05-30

きのうは山下公園で『ONE FOR ALL』というイベントがあった。
集まったひとたちで「人文字」を作って
世界中の貧困撲滅を世にアピールしようというイベント。
たまたま用事で大桟橋に行っていたワタクシは参加してみることにした。
その理由はゲストにU2のボノが来ると聞いたからだ!
正直ミーハーです。ごめんなさい。
しかしU2好きのワタクシとしては黙っていられない。
そんな浮ついた気分で行っていいものかとの葛藤もあったけど
著名人がボランティアする意義ってそれによって
興味を持つ人が増えるというところにあると思うので
「逝ってよし」と自分にジャッジして行く事にした。


雨の中大きく「人」と書かれた白Tシャツを来て
イギリス人の彫刻家の指示に従って人文字を作る。
見知らぬ人同士が声を掛け合ってひとつの物を形作って行く。
それはなかなかエキサイティングな体験であった。
上空から映した巨大モニターに見事な
「人」の形がで来た瞬間みんなの気持ちが
ひとつになったような充実感でその場が満たされた。


しかしそれはゲストが登場するまでのこと。
ボノを初めとした著名人ゲストが登場するなり
人文字は崩れそちらに人々が殺到。
おいおい、せっかく作った人文字が。
頭が崩れてく。腕がもげてく……。
最初に主宰者から
「このイベントの趣旨はあくまで“人文字”を作って
世界にアピールすることゲストもその趣旨に賛同して来ているので
ゲストが登場しても取り囲んだりしないように」
と注意があったのに。
彫刻家や主宰者がいくら叫んでも聞く耳持たず……。
一部のひとたちのせいでボノをはじめゲストのひとたちは
わずか10分足らずで退場。
真面目に人文字を作り続けていた人たちは
まともにゲストの姿を拝むことすら出来なかった。
人文字を作っているときにはしきりに
「みんな真面目にやろうよ!」とやたら張り切ってた
いかにもボランティア大好き風のおばちゃんまで
最後には駆け出しちゃって
「えーっ、お前もかよ!」
とツッコミを入れたかった。
一部の人たちが人文字を崩さなければ会場に居た全員が
ゲストと対面することが出来たんだよ。
同行してくれたヒゲマスターどのは
「有名人が来りゃこんなもんでしょう」と
苦笑していたけどなんだかねえ。


最後には彫刻家は切れ気味だったし主宰者も涙目だった。
がっくりと肩を落としている進行役の方には
「あんたたちは頑張った!」とねぎらいの言葉のひとつもかけたかった。
自分のことしか考えられない人が
世界から貧困をなくすためにって。トホホ。
まあゲストにキャーキャー騒ぐなんて
かわいいもんっちゃかわいいもんだけど
雨のなか一生懸命イベントを主催した人たち、
そして辛抱強く人文字を作り続けていた参加者の
気持ちなどを考えるとね。


ただ自分としてはこの世界が抱える問題について
考えるきっかけを与えてくれたこのイベントの存在と
このイベントに参加する機会を与えてくれたことに感謝しています。
自分もかりにも表現者のはしくれとして
とても意味のある数時間だったような気がします。
浮ついたミーハー気分にカツを入れてくれてありがとうございます。


マスコミ報道では現場のこういった状況は
流されないと思うのであえて書いてみますた。


ちなみにチラッとだけ見られたボノは
意外と小柄でした……。


http://dailynews.yahoo.co.jp/photograph/pickup/







人と言う字は人と人が寄り添って〜♪



彫刻家の誘導であっという間に人の形に。
これはちょっと感動。