沖縄旅行2日目午後

ラジオ沖縄を辞したあとクルマをコザへ走らせる。
今回の旅の目的その2「照屋政雄先生にお会いする」ため。
S-1でお世話になったこと、サンテンヨンでお世話になること
そのお礼とお願いを直接言いたかったのです。
名曲『チョンチョンキジムナー』そして
映画『ホテルハイビスカス』の父ちゃん役で有名な
照屋政雄さんは沖縄市照屋で三線屋を営んでいる。
もともと三線を作ることに興味があって
職人として三線作りを追求しているうちに
「唄い手の気持ちがわからないといい三線は作れない」
と唄の道に入るようになったのだそうです。
「こういう世の中だからこそ自分の芸で人を喜ばせたい」
と語る先生の表情はステージのニコニコ顔とは
違ってとてもシリアス。
次から次へと繰り出すトーク
こちらが口を挟む間もないほど。
唄への思い、三線への思い、師匠である登川誠仁先生への思い。
うむ〜芸一筋に生きた人の迫力はスゴい。


先生に近所の食堂で昼をごちそうになって
「ついて来なさい」と言われるままに
嘉手納の老人ホームへ。
先生は慰問コンサートを毎週30年間欠かさずに行っている。
「あんたも唄いなさい」
と言ってワタクシを紹介している。
「ヤマトのヨコハマから三線弾きが来たから
聴いてあげてくださいね〜。」
「自分の言葉で唄ったらいいさ〜。」
そうは言ってもやはりせっかく勉強して来たのだから
沖縄の人に聴いて欲しい。
ナイチャーが唄う沖縄の唄を。
そして『梅の香り』を唄う。
皆さんが一緒に口ずさんでくれる。おお!嬉しい。
安里屋ユンタ』前列のおばあちゃんが踊り出す。
次にオリジナル曲を。『当たれ節』。
「アレも唄いなさい。」
政雄先生が後ろの席から声を上げる。
足テビチの女』を唄う。おお、受けてる!
「CD出たら買うわよ〜。」ありがとうございます!
そのあとは政雄先生の独壇場。
しゃべるだけしゃべってみんなをドッと湧かせて
しんみりした唄で泣かせて
最後はカチャーシーして拍手喝采浴びながら
ステージを下がってそのままお茶も飲まずに外へ。
「こういうのはいつまでも居ないでサッと帰るのがいいんだ。
そうするともっと“聴きたい”と思ってくれるだろ」
う〜ん、カッコイイ。
だいたい三線だってケースなんか入れずに
タオル巻いて直に持ち歩くんだから。
まるで“野武士”のような政雄先生なのでした。