『神はサイコロを振らない』

前から気になっていたドラマ。
同い年ということで注目し続けている
小林聡美さんが主演ということもあり。
雑誌『TＶステーション』の編集Kさんから
DVDをお借りして鑑賞。

＜あらすじ＞
ナゾの失踪し10年間行方不明だった旅客機が
ある日突然姿を現す。
マイクロブラックホールという時空の歪みにハマり
10年という時をタイムスリップしたらしい。
10年前の姿のままの乗客と
10年の時を経た親族たち。
そして10日後にまた消えるという運命を前に
彼らの残された日々が始まる

小品ながらなかなかの良作でありました。
これはある種の「黄泉がえり」的スタイルで
状況的には死んだはずの人がある時期だけ
生き返るというのに近い。
ただ実際に「死んだ」あるいは「また死ぬ」という
ことよりはポジティブになれるという
「うまいところ」を突いた設定だと思う。
そしてその設定に流されることなく
人物ひとりひとりの心理描写が丁寧になされている。
恋人や友人をタイムスリップにより喪失してしまった
10年の間にいろいろ失ってしまったものを
戻って来た人との関わりの中で主人公（小林聡美）が
取り戻して行くプロセスが見ていて心地よい。
最終話は涙なしでは見られませんでしたよ。
涙腺ユルくなったなあ。
が、けっしてウェットな作品ではなくて
とても前向きな気持ちにさせてくれる所がよい。
タイムトラベルものにつきものの矛盾点もなくはないが
そこが主眼ではないのでそれほど気にならない。
『スイカ』以来の小林聡美＋ともさかりえコンビもグッドです。
ともさかりえはああいうフワフワしていて
なおかつさっぱりした女の子を演じると上手いですね〜。
女友達に居て欲しいタイプです。
そして成海璃子のかわいさにメロメロです。ホント。

昨今のアイドルがぎゃーぎゃー言ってるばかりの
安っぽいドラマに辟易している方
ほっこりと温かい気持ちになりたい方
は是非どうぞ。

神はサイコロを振らない DVD-BOX