沖縄で年越し(後編)

hacchaki2013-01-15

4(金)。
敬絃会メンバーが続々渡沖。
みんなが揃うとなんか頼もしい。
夜は『絹の家』にて合同レッスン&最終チェック。
と、そこへチョンチョン〜♪と照屋政雄先生が。
即席ライブで大盛り上がり。
政雄先生の笑顔パワーは相変わらずスゴイ!
ここまで突き抜けられたらホンモノです。
田所もこうなりたいものだ。





それにしても明日はいよいよ本番というのに
お店はなんだかんだでいつも通り。
師匠のお疲れが心配になるのだが……。


5(土)。
いよいよリサイタル当日。
小雨パラつくあいにくの空模様だが
とにかく会場へ。
敬絃会メンバーもカンプーやメイクなど
あるので早々に会場入り。




そしてゲストの大御所の皆さんも楽屋入り。
いよいよ本番が始まりました。
会場は超満員。立ち見も出るほどの盛況ぶり。
我々出演者はステージ袖か
楽屋モニターでしか
ステージの様子を見るすべがないのですが
それでも恒徳、恒英両先生、
そしてそのふたりの名の下に集った
素晴らしき唄者たちの熱演
そして素晴らしい演出の様子は
ひしひしと伝わってまいります。
そのつど、同じステージに立てる喜びが
ジンワリとこみ上げてきます。
この世界に入って10年
心からよかったと思える瞬間でした。
そしてなにより敬絃会のメンバーと
一緒に参加出来たことが嬉しかったです。
みんなありがとう〜!


楽しい時間はあっという間に過ぎ
フィナーレは両先生の一門
それに沖縄民謡保存会メンバー総勢200名による『東門』。
(「あがりじょう」と読みます)


  昔語らたる 
  恋し東門 
  今や孫連りてぃ 
  遊び所
  
  (んかしかたらたる  
   くいしあがりじょう 
   なまやまぐちりてぃ 
   あしびどぅくる)


華やかに遊び暮らした昔を想いつつ
今は穏やかに孫と遊ぶ、
まさしく今回のリサイタルのエンディングに
相応しい名曲でありました。


本当に魂が震える3時間でした。



6(日)。
すべてが終わってホッと気が抜けたところで
敬絃会メンバーはまたぞろ帰っていくので
空港に送りがてら散策を。
大阪の三線友だち宮川さんも加わって
まずはハンビーのフリーマーケットをチラ見。
そして嘉手納ドライブインへ。
安保の丘へ行こうと思ったけれど
ドライブインの展望台から基地の様子が見える。
日曜日なので戦闘機の発着はなかった。
昼食は照屋林賢さんがかつてエッセイで
「世界一美味しい」
と褒めちぎったチーズバーガー。でかい。
でかいんだけどバンズが
ふっくら柔らかくて食べやすい。
ペロッといけちゃいますね。



それから師匠の名曲『百十踏揚』ゆかりの勝連城へ。
頂上はいつも風が強いイメージだけれど
この日は穏やかでのんびりと風景を楽しめました。





夜は師匠の次男、恒次郎くんと
敬絃会メンバー市川さんの
サプライズバースデーパーティ。
リサイタルの余韻に浸りつつ夜は更けるのでした。



7(月)。
メンバーが帰っていくと寂しいものです。
自分も帰るんだけれどね。
師匠も「寂しい」と言ってくれます。



最後にミッチーだけが残ったので
彼女を連れて南部、ミッチーの念願だった斎場御嶽へ。
田所的には久しぶりの斎場御嶽
世界遺産指定されてすっかり観光地化されて
以前のようなある種の生々しさというか霊力のようなものが
そぎ落とされてしまった感があるのは残念である。
でもそうしないと守っていくことが困難なのも
また事実であり難しいところである。
「遺産」というのは過去の遺物という意味であり
斎場御嶽のようなところは
現在もウガンされている場であって
「遺産」とは違うような気がするのだが。





昼食は斎場御嶽向かいの『久高』で。
以前はファミリーマートだったな確か。
久高島を眺めながら沖縄そばやぜんざいを楽しめます。
ステージもあって
「ご自由にお唄い下さい」
と張り紙がしてあった(笑)。



腹ごしらえのあとは
スーパーでお花を買って
百十踏揚さんのお墓へ。
桃と踏揚さんは運動公園を見下ろす
ちょっとわかりにくい場所に
ひっそりと眠っておられました。





それから沖縄に行くといつも訪ねる
『親泊宗康三味線店』へ。
敬絃会メンバーりん子さんの三線
修理していただく。
一時期体調を崩されていたお父さんも
すっかり復帰されてバリバリ三線を作られているらしい。
よかったよかった。





そしてミッチーを空港に送って波の上宮に初詣して帰りました。


8(火)。
横浜に帰る日。
いつもなんだか寂しい気持ちになる。
今回も師匠、ママさんそして沢山の人にお世話になりました。
空港には師匠の長男ツーネーくんと
北海道から沖縄に移住してきたリン子ちゃんが
見送りに来てくれました。
本当に楽しくかった9日間。
終わってみればあっという間。
またすぐに行くからね〜おきなわ!