『恋愛寫眞〜Collage of our Life』


2003年/日本映画/監督:堤幸彦/出演:松田龍平広末涼子小池栄子山崎樹範高橋一生、岡本麗、大杉漣


松田龍平くんの独特の雰囲気はありだなと思いました。
浅野忠信」系とでもいうのでしょうか。
演技してるのかしてないのかわからないぐらいの
微妙なニュアンスの出し方。
観ていて危なっかしいんだけど
それでいいとも思えるような。
表情や目線が効果的であった。
しかし父ちゃんに似てるね。
恐るべし、遺伝子。


なにかと評判の悪い広末涼子ですが
やっぱり彼女にしか出せない
圧倒的な存在感があって○。
えっちしたいとは思わないが
身近に居たら嬉しい女友達系NO.1だ。
もしかしたら酔った勢いでえっちすることもあるかも知れないが
そのことはふたりだけの秘密ってことで。


小池栄子が出てくる後半部分が主に叩かれているようですが
小池栄子自体が悪いんではなくて演出の問題だよなぁ〜。
サイコにハジケるまでの微妙に神経質そうな演技はよかったのに。
それにあの銃撃戦はなんですか!
なにしろ弾の当たらない撃ち合いなんてリアリティゼロ。
あんなのいらんからとっととポリスに捕まればよかったんだ。
あんなところで変にエンターテインメントにしようとする必要はなかったのでは。
それまでの叙情的な流れを一気にダメにしてしまった。
そして監督のやりたかったことがそこに集約されているように見えるのが悲しい。


ニューヨークの持つ魅力、9.11への想い、写真の力、
若さゆえの愚かさ、疾走感…そういったものが
もっと訴えかけてもよかったはずなのに…。
観終わって1日経ってみるとそれほど印象に残ってないのが残念。
なぜなんだなぜなんだなぜなんだ?!


若さゆえのつまらないプライドのせいで
ふたりは別れてしまうのですが
あの辺はすごく共感できた。
ああいうときって常に男のほうがガキで
女のほうが大人なんだよなあ。
しかしあの流れから言って
自分だったら最後に彼女の名前で仕事して行くってのは
ないだろうなあと思った。
彼女の作品はやはり彼女だけのものだと思う。
彼女の名前は彼女の作品によってのみ残されるべきで
彼女の名乗ったところで彼女の才能と同化できるわけではない。
むしろ彼女の名前を汚すことになるんじゃないかって
ビクビクしちゃうと思うんだけど。
そこんところ彼には自信があったのだろうか。
「静流の名は俺が継いでやる!絶対汚さねーぜ!」
みたいな。


でも自分の大学時代を思い出したわ。
自分は自宅だったからああいう生活ではなかったけど
阿佐ヶ谷の友達のアパートに入り浸ってさ。
うだうだ音楽や映画の話などしてた頃のこと。


そういえば、ラスト…広末の幻と龍平が対峙するシーン。
とてもよかったんですが。
鉄道員(ぽっぽや)』を思い出したのはワタクシだけでせうか。
また幽霊かよ!!


で、マヨヌードルはうまかったのかどうか。
試す気も起きません…。


あ、エンディングの山下達郎は邪魔だったなぁ。
彼の歌は「山下達郎ワールド」以上の広がりを持たないから
他の世界観とまったく馴染まないと思う。


結局のところよかったのか悪かったのかと言えば
「観たいんだけどどう?」
と言われれば
「是非。」
と勧めますが…というところで。