路上の狂気

hacchaki2006-02-04

首都高横羽線を走っていたら、フェラーリテスタロッサ
ガーッと後ろからやってきてあっという間に追い抜いていった。


いつ見てもテスタロッサのデザインってスゴイ。
走っているところに出会うと、とくに「すげーッ」って思う。
なによりそのデザイン、
幅がハンパじゃなく広くて平べったい(4510×1970×1160)。
一般車に比べればかなり車高が低いと思われる
我がユーノスケ号から見てもまだまだ低い。
(ちなみにユーノスロードスターの寸法は3955×1675×1235)
ユーノスケはノーマルより3cmほど車高を下げているのだが
それでもまだ4cm低い…。幅はあと3cmで2mにもなろうかというのに。
2人乗りのクルマにこの車幅は…。
後ろをしばらくくっついて走った(かなり頑張って)んだけど
しかしその幅は、もちろん室内のゆとりのためなどではなく
ブットいタイヤと、12気筒の巨大な心臓を収めるために費やされている。
描かれたフォルムはオソロベキエンジンパワーを表現する。
ドア付近から急激にボディ後半に向けてサイドがボアアッと膨らみ
そのサイドパネルには大量の空気を吸い込むために
スリットの入ったエアバルジが切り込まれる。
そうして膨らみきったサイドはボディエンドでスパッと切れる。
そこからハンパじゃなく巨大なエネルギーのカタマリが噴き出すのが目に見えるようだ。
常人の手に負えるはずもない、狂気のようなエネルギーの噴出。
その叫び声は絶滅してしまった肉食恐竜のようにこだまする。


スポーツカーの叫び声を聴くとき
そこになにかしら悲壮な響きを感じるのは、自分だけだろうか。
狂気の果てにある悲しみを垣間見るかのような。
あるいは、エコだのなんだのと騒がれるこの時代に
生き残ることの叶わぬ希少種の嘆きの声か。
とにかく12気筒フェラーリの奏でるシンフォニーは
そんな哀しげな色を帯びている。
ワクワクしながら、ドキドキしながら
センチメンタルな気分になる。
スポーツカーの雄叫びを聴いておセンチになるってワシだけですか?


最近の若者はスポーツカーに興味がないらしい。
スポーツカーを買うのは、スーパーカーに心躍らせた世代くらいまでで
最近のヤングは免許すら「取るのカッタリー」とか言っているらしい。
このままだと「スポーツカーは絶滅してしまうのでは?」
という危惧を抱いているメーカー関係者もあるようだ。
これが日本に限った減少かどうかは不明だが、哀しい話ではないか。


そんな時代の流れに逆らうがごとく
不肖ワタクシめは今日もスポーツカーを走らせるのでございますよ。
シリンダーは1/3本しかないけど…。
運転メチャメチャ下手だけど…(涙)。