メカラウロコ

hacchaki2006-02-20

土曜日は博多から兄が上京したので
久しぶりに実家で家族が終結したわけで。
その折、この春小学校に入る甥っ子が
「おじいちゃんおばあちゃんへ」ということで
画用紙に絵を描いたのを持ってきたのだが。
そこでのメガウロコ話。


甥っ子は飛行機が好きで
その画用紙には大きく飛行機(JAL)の絵が描かれているのだが
その飛行機は横から見た図で窓がズラーッと並んでいる。
ドアの数なども多分正しく描かれているのであろう。
翼にはふたつずつエンジンも描かれていて実に細かいのだが
肝心のボディ部分の輪郭が描かれていない。
「これ、なんで窓が並んでるだけでボディがないの?」
両親もワシも疑問に思ったわけです。
それを兄に尋ねると、兄も同じことを思ったらしく甥っ子に
「輪郭描かなきゃダメじゃん。」
と言ったら甥っ子は
「だって、JALの胴体は白いもん。」
と答えたと。
で、絵をよく見るとちゃんと色鉛筆の白で
輪郭が描かれているわけです。


大人たちは
「輪郭を黒で描くことによって物の形を表現することが出来る」
ということを知っている。
でも、現実に世の中にある物体は
べつに黒で縁取られているわけではない。
ジャイアントパンダの目を除いては。
人は黒で輪郭を描くことでものの形を伝えることが出来るから
便宜上そうしているに過ぎない。


自分も子供の頃にそのことで悩んだ時期がある。
例えば赤いクルマがあるとして
そのクルマの実物は黒で縁取られているわけではないのに
どうして黒で輪郭を描いて中を赤く塗ると
そのクルマの絵が出来上がるのだろうかと。
相当悩んだけど「ま、いいか」ということになって
現在イラストを描く仕事なんかしたりしちゃったりなんかしてるんだけど
「白いボディだから白で描く」っていうのは
ほとんどの大人たちがもしかしたら忘れている感覚なんじゃないかなあ。
実に「ハッ!」とさせられる出来事でございましたよ。


漫画には「漫符」という記号表現があって
例えば顔の眉間のあたりに水のしずくみたいなもんを描くと
「冷や汗をかいてる人」に見えたり
頬に「///」と斜線を引くと頬を赤らめているように見えたり。
ネット上で使われる顔文字なんかは
漫符の究極系と言ってもいい。
ヾ(。`Д´。)ノ彡←こんなヤツいるわけないんだけど
ちゃんと怒っている人に見える。スゲエ!


これはこれでネットやメールでのコミュニケーションが生み出した
すばらしい文化だと思うんですよ。
「嫌い」っていう人もいるけどね。ワシは「アリ」だと思う。
でも、安易に頼ってしまうということもある。
「ウレシイ」と言葉で表現する手間を
(≧∇≦)/←これで済ましちゃったりもするわけで。


自分もイラストや漫画をを描くときに
わりとイージー漫符を使っちゃったりするんだけど。
「常識を疑う」ということを忘れてはいけないなあと
再認識させられた次第でゴザイマス。
偉いぞ、甥っ子!さすがワシの甥だっ!