まったり旅行記10…唄三線の聖人

闘牛は雨のために非常に寒かった。
勝戦まで観ることはとうとうできなかった。
そこで再びクルマに乗り込み
暖を取りつつ本日(3日目)の宿デイゴホテルのあるコザへ。
読谷から58号線に戻る途中の県道6号線沿いに
三線の神様 赤犬子(あかいんこ)宮」があるので立ち寄る。
赤犬子」は500年前に中国から渡って来た三線に唄を乗せて
その美声を持って沖縄中に広めて歩いた“琉球音楽の始祖”。
読谷村楚辺にて天に昇って神になったという人。

 
  歌と三絃の昔はじまりや犬子ねあがりの神のみさく


現在においては数多くの沖縄民謡愛好家がその宮に訪れるが
赤犬子が実在の人物か伝説上の人かはわかっていない。
おそらくモデルになる人がいて、話に尾ひれがついて…といったところであろう。
なにごとにつけ「最初にやる」人ってスゴイと思う。
中国製の楽器を手に取り、それに沖縄の唄を乗せて唄う。
ものすごくエポックメーキングなことだっただろう。
当時の若者の目にはメッチャ“ロック!”に映ったのではないだろうか。
中には「そんなのおかしい」という保守派もいただろう。
そういうものを押しのけて三線を広めて歩いた赤犬子さんがいて
500年後の現代に、唄三線にハマって沖縄をうろうろする神奈川県人がいる。
時間の流れは絶えることなく繋がっている。