初期のRCサクセション

RCサクセションというとキヨシローのハデハデメイクも相まって
コッテコテのロックンロールバンドというイメージが強いが
スタートはスリーピースのフォークバンドだった。
バンドとして売れるのはキヨシローがメイクに目覚めて
派手なパフォーマンスをするようになってからだが
フォークバンド時代の貴重な映像を収録したDVDが出ていた!
世の中便利になったモンダ!


ど派手ロックンロールバンドに脱皮するまで
彼らはほとんど認められていなかったというのが定説であるが
この映像を観るとちゃんとファンもいるし
なにより音楽としてカッコイイ。
キヨシローはすでにあのボーカルスタイルを確立している。
この頃のほうがシャウトが強いような気がする。
風貌は繊細なフォーク少年そのものといった感じで
現在のロックンロールキングぶりからすると隔世の感アリ。
ナイーブでふてぶてしくて、でもシャイでチャーミングである。
おどけたようなところは一切なく
少し怒ったような顔をしながら直立不動でフォークギターをかき鳴らす。
切々と感情をぶつけながら唄う様はまさに「ハード・フォーク」といった風情。
フォークのときだけメンバーだった破廉ケンチの
超絶アコギテクも見所。MCは彼が担当だったようで。
RC解散までメンバーであり続けたリンコ和生の安定したウッドベース
味わい深いフレーズを奏でる。


この時代、すでにRCサクセションは他の追従を許さぬ
独自性を確保しながらその才能をギラギラと輝かせていた。
まぎれもなく日本の宝だなあと思う。
「唯一無二」であり続けることがどれほどのパワーと才能を要するか。
後年の彼らの(といっても破廉ケンチはロック化を期に脱退してしまうが)活躍は
まさにこのとき、すでに始まっていたのだ。
高校1年の深夜ラジオで初めて聴いた『スローバラード』の衝撃が
今また、ありありとよみがえる。
彼らがいる時代に生まれてよかったなあとつくづく思う。

ライブ帝国 RCサクセション 70’s [DVD]

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