鈴鹿は秋

本日はF1鈴鹿GP決勝。
あと2戦を残して同ポイントとなった
昨年のチャンピオン、アロンソと皇帝ミハエル・シューマッハ
ここ数戦を観る限り流れはシューミーにある。
アロンソは明らかに精彩を欠き焦りばかりが目につくのに対して
ミハエルは、引退発表のあと、全盛期を彷彿させるかのような
目覚ましい走りっぷりを発揮。
そもそもシューマッハフェラーリの調子さえよければ
いまだに全盛期が続いているんじゃないかって感じではあるんだが。
そうとはいうものの、きのう行われた決勝では
第2ステージで神がかりなタイムを叩き出したシューマッハ
最終ステージの最後に同じフェラーリを駆るマッサにポール・ポジションを奪われた。
このあたりに「彼のピークはすぎた」とする根拠をわずかに見ることができるということか。


それにしても、来年からシューマッハがいない、と思うと一抹の淋しさはある。
あまり好きなドライバーではなかったけど間違いなく速かったし今も速い。
どちらかといえばアンチ・シューミーな自分からすれば
ヒール役として申し分のないキャラクターである。
あの憎たらしいまでの完全無欠ぶりは他の誰にもマネできない。
その意味で、「シューマッハの時代」を目の当たりにし
その走りの何回かを鈴鹿で生で観ることができたのは幸せなことだった。
とくに我が愛する“フライング・フィンミカ・ハッキネンとの壮絶な戦いぶりは本当にスゴかった。
そして鈴鹿で自分の目で、ハッキネンシューマッハの走りの違いを
観られたのはものすごく幸せなことだった。
「最後の鈴鹿」で走る「最後のシューマッハ」の走り。
「最後」くらい注目して観るか・・・(笑)。


しかしきのうの予選中継を観るにつけ、
鈴鹿は素晴らしいコースだなあとしみじみ思う。
スタートからストレートで加速し、第一コーナーで飛び込み
第2コーナーからS字、逆バンク〜ヘアピンまで続くテクニカルなセクションと
後半の中・高速セクション〜裏ストレートとテンションがあがって
130Rの突っ込みで最高潮に達する、あのなんとも言えない高揚感。
テレビではわかりにくいけど実際に130Rを観ると
「ホントにあのスピードで入っていくんすかっ!」ていうほど角度がついているのに
そこをアクセル全開で裏ストレートを駆け上って
そのままのスピードで入って行くんだからホントにF1ドライバーというのはスゴい。
きのうもみんなベタ踏みのまま曲がってたもんなあ。
それを50周以上も周回し続けるんだから、あいつらバケモンだ!
多くのF1ドライバーも鈴鹿サーキットを「素晴らしいコース」と誉めて
好きなコースのひとつとして挙げている。
ワタクシも何度か走ったけどホントに難しくて楽しい。あ、ゲームでの話だけど。
そんな鈴鹿がF1で使われるのは今年が最後となる。なんだかすごく淋しい。
来年から使われる富士スピードウェイがどんなサーキットかいまいちよくわかってないけど。
でも、富士は近いからいいな。日帰りできる。鈴鹿は遠かったよ・・・。


毎年思うのだけど、テレビを通してみる鈴鹿っていかにも「秋」な感じを醸し出している。
夏が去って太陽が低くなり、空気が凛と冷えている様子が画面を通して伝わってくる。
F1という1年を通しての祭りの終わりが近づいていることが感じられる。
今年で見納めとなる「鈴鹿の秋」。どんなドラマが生まれるのか・・・。
なんかドキドキしますね〜。