『サマリア』(DVDで鑑賞)

ずっと気になっていた映画。やっと観ました。
といっても観てから日数が経っているので
おぼろげな部分もあるんですが。


ふたりの女子高生がいて、ひとりが援交をして
もう片方は見張り役。
ふたりで旅行に行くためのお金を貯めるというのが
その目的なんだけど。
で、ラブホにガサ入れがあって援交しているほうの子が
窓から飛び降りて死んでしまう。
残された見張りの子は
それまで稼いだ金を男たちに返すために
ひとりずつ呼び出して男たちと寝る。
その子の父親は刑事で娘が援助交際していることを知って…。


キリスト教的宗教観に基づいた話のようです。
男たちに抱かれる女子高生たちは「聖母」。
お金を返すために男に抱かれる少女は「贖罪」。
静かな罪。イノセントな罪。娘たちは痛々しく美しい。
ふたりの少女がいいです。
とくに先に死んでしまう女の子の無垢な笑顔にはヤラレマした。
こういう子、いなさそうでいたりするんだよな〜学年にひとりくらい。
娘を抱く男たちに怒りを爆発させる父親もまた静かに狂います。
あくまでも静かに。
父親の感情ってこういうものなのか。モリモリくんに聞きたい。
そして父親と娘は旅に出る。
父親にとって最後の旅はどんな意味を持つのか。
娘は父親が去ったあと何を思うのか。
暗いが、それだけではない余韻を
心の奥に残してくれる映画でした。
ラストシーン、いいです。
キム・ギドク監督、侮れない…。


「女の人は、どんなに汚れても、汚れない。」
とある映画のセリフを思い出した。女ってズルいや(笑)。
(“とある”というか『マブイの旅』です、ちなみに)

サマリア [DVD]

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