『めがね』(港北マイカルシネマズにて)

hacchaki2007-10-08

少しシュールで、
でも心がほっこりとする
やさしい映画でした。
同じ荻上直子監督の『かもめ食堂』と
相通じるテイストですがこちらのほうが
より具象的でわかりやすいかも。
しかしこの監督は料理を美味しそうに撮るのが上手い。
かもめ食堂』もそうですが美味しそうな料理と
それを美味しそうに食べる人たちが登場します。
ワタクシ的にはそれだけで結構ポイントが高い。
かもめ食堂』を観た方はあのもたいまさこにまた会える、
といった喜びが大きいと思います。
主役の小林聡美さんは
いつ山崎パンの話をし出すかという感じでした(笑)。
ワタクシは『かもめ食堂』の彼女より
やっぱり猫が好き』のキミエちゃんを思い出しました。
あと『すいか』ね。市川実日子ちゃんが出ているせいで
よけいそう感じました。
あのへんはあえて意識して使っているのかな。
そういったことも含めて安心して観ることが出来ます。
でもそのようにキャラクターが役者によって
あらかじめ固定化されていることは
作品にとってプラスにもマイナスにも作用するわけで
なんにしても大きな事件は起こりませんが
そのギリギリのところで成立している
作品ではあると思います。
大きな事件は起こらなけれども
「ここじゃないどこかに行きたくなる」
そんな映画。これって映画の、けっこう重要な役割だと思う。


作品そのものとは関係ないのですが残念だったのは
4〜5歳の女の子を連れて来ていたおかんがいて
子供は上映開始前からすでに飽きていて
画面を見ながらおかんにあれこれ話し掛ける。
その声が耳に入って来て
イマイチ作品世界に没頭出来なかった。
たまりかねた他のお客さんが
「静かにさせてあげなさい。」
(この言い方がポイント)
と注意しに行ったのだが(上映開始15分)
土台子供には無理な話。
でもおかんはどうしても映画が観たいのか
数分おきに声を上げる子供を小声で注意しながら
最後までしっかり鑑賞して帰りました…トホホ。
さすがに他の客と一緒に劇場を出るのは気まずかったのか
エンドロールが始まると誰も立ち上がらない中
子供の手を引いてそそくさと出て行ってしまいましたが。
いや、ただ単に自分が満足して帰りたかっただけかも。


これは子供が悪いのではけっしてない。
(注意した人の言い方にもそれは現れている)
アニメや派手なアクションものならともかく
4〜5歳の子供が映画に集中するなんて所詮無理な話。
ましてや子供が観て面白い映画でもないし。
これは100%連れて来る母親が悪いわけで。
「自分が観たい」という欲だけで子供を劇場に連れ込むのは
いかがなものかと思うのだ。
「子供がいる母親だって映画を観る権利はある」
と反論するかも知れない。もちろんあります。
でもそれには「子供を預ける」とか「ビデオで観る」とか
方法はいろいろあるはず。
みんな安くないお金を払ってその作品世界に浸りに来ている。
そのひとときを現実に邪魔されて迷惑を被っている。
その事実になぜ思い至らないのか。
子供に「映画」という素晴らしいものを
体験させてあげたいという気持ちはわからないではない。
そのおかんにそーゆー気持ちがあったかどうかはシランが。
正直あの母親は子供が集中できないと判った時点で
劇場から出るべきだった。
僕の周りの母親やっている友達だって
「子供が小さいから」って理由で映画館に
足を運びたいところを我慢しているのだ。
そういう他人への配慮って自分のヨクボウのままに
生きているコナシドクシンのワタクシからすると
本当に頭が下がります。


最近映画館でそういう「周りの迷惑を省みない人」
によく遭遇するんです。
それがなんとなく映画館から足を遠ざける
理由にもなっていたりするんだけど。
まあ、それでもやっぱり映画は映画館で
観るべきだなあと改めて思ったのでした。