『燃えよ剣』(昭和45年制作・ビデオで鑑賞)

司馬遼太郎原作のドラマ版『燃えよ剣』を観ています。
燃えよ剣』は何度かドラマ化されていますがこれが最初。
昭和40年に制作された『新撰組血風録』の好評を受けて
結束信二脚本、船橋元(近藤勇)、栗塚旭土方歳三※1)
という黄金タッグで再びドラマ化された新撰組もの。
新撰組血風録』がいきなり池田屋事件から始まる
斬新な展開だったのに比べると『燃えよ剣』は
時系列順に並べて丁寧に物語を重ねて行っている印象。
その分『新撰組血風録』のほうが勢いで見せる感じは強い。
一度ドラマ化された新撰組を再びやるということで
土方歳三はすこし作り込み過ぎなような。
新撰組血風録』のほうがさらりと描かれていた
ような気がするけれどそれは原作の違いかも知れない。
いずれにせよ新撰組好きならチェックしておくべき。


ただ、主役の2人と沖田総司以外はキャストが
新撰組血風録』とほとんど違うので
誰が誰なんだかなかなか覚えられません。
しかし沖田総司役の島田順司(※2)はハマってるなあ。
(『はぐれ刑事純情派』の藤田まことの上司の人)
ホントにこんな人だったのかもと思わせるものがあります。
栗塚旭さん演じる土方歳三は非常にストイックで
(つまり司馬遼太郎が描く土方がストイック)
もうちょっと荒っぽい人だったんじゃないかなあ。
イメージ的には『新選組!』の山本耕史くんと栗塚さんを
足して二で割るとちょうどいい感じ。
でもやはり栗塚歳三はカッコイイ!
(『燃えよ剣』のほうが栗塚さんが5年分おとなになってます)
新撰組血風録』では最終回の土方さんが涙ものだったので
燃えよ剣』の最終回もどうなるか楽しみです。
ちなみに今蛤御門の変あたり。
新撰組血風録』では斉藤一役だった左右田一平さん(※3)が
町医者役で再び登場しナレーションも担当しているのが面白い。
あと、倒幕浪士としてチョイ役で出て来てすぐ斬られた
川谷卓三が新選組隊士として顔を出したりするのは愛嬌か。


しかし昔の時代劇ってのは迫力がありますなあ。
ロケ地なども今よりは時代を感じさせる場所が
ふんだんにあっただろうから映像の説得力が違います。
役者さんの顔も「サムライ顔」なんだよね。
今の役者さんと比べてみると日本人の顔って
ずいぶん変わったんだなあと思います。
ああ、面白い時代劇が観たいなあ。


※1…栗塚旭さんは大河ドラマ新選組!』で
土方歳三のお兄さん役で2話に登場します。
かなり泣けます。
※2…島田順司さんは大河ドラマ新選組!』で
病身の沖田総司を匿う植木職人として登場します。
こちらも泣けます。
※3…左右田一平さんは大河ドラマ新選組!』で
出演を依頼されたけれど体調不良のため
断られたそうです。惜しい! 

燃えよ剣(上) (新潮文庫)

燃えよ剣(上) (新潮文庫)