譜面おこし

hacchaki2008-04-01

今ある曲の工工四(※)おこしをしています。
これが楽しい。
嘉手苅林昌先生の音源を使って
譜面おこしをしているんですが
何度も何度も繰り返し聴いていると
そのたびにいろんな発見がある。
唄者の息づかい、三線の細かいニュアンス、
録音現場の空気感までが伝わって来る。
聴き取りづらいフレーズは再生スピードを
20〜30%落とします。
そうすると通常スピードでは判らなかった
爪と弦の当たり具合や、音の揺らぎが見えて来る。
曲間の呼吸まで聞こえて来て
唄い手の体調までわかるんじゃないかっていうくらい
聴き手と唄い手の距離が縮まります。
長い曲だと根気がいる作業ですが
譜面おこしはさまざまなことを教えてくれます。
曲によってはそれこそ何百回も聴かないと
ならないのですがまるで考古学者が
土の中から化石を愛おしく取り出すかのような
本当に楽しい作業なのです。

寂しさや今宵 三味線小我友
弾ちば物言なち 情かぬさ
知らすなよ 他所に 知らすなよ 二人が仲


さみしさやくゆい さんしんぐゎわどぅし
ひちばむぬいなち なさきかぬさ
しらすなよ ゆすに しらぬなよ たいがなか


嘉手苅林昌『恋語れ』)


工工四(くんくんし)沖縄民謡の譜面