『少年メリケンサック』(DVDで鑑賞)

hacchaki2009-08-19

今頃観ました。
まずはじめに


宮崎あおいカワイイ!


これは言っておきたい。
篤姫』のあとすぐの仕事だったせいか
はっちゃけた演技とクルクル変わる表情は
ホントに天才的にカワイイ。
それだけでも観る価値があるかも。


で、映画のほうですが
相変わらずのクドカン節で
そこそこ面白かったですが
なんとなく盛り上がりに欠けたのは
要所要所で説明が足りないように思われたこと。
登場人物の心の変化などポイントとなるところが
丁寧に描かれていないのは非常に残念でした。


それとパンクロックが映画の中心に据えられているのですが
そのパンクロックへの登場人物たちの情熱が
いまひとつ伝わって来なかったのは
「そもそもパンクロックとはなんぞや」
というところの説明がキチンとなされていなかったからでしょう。
「パンクってのは暴力なんだよ!」
みたいなこと言ってますがそれだけじゃないでしょう。
「これがパンクなんだ」
「オレたちにはパンクしかないんだ」
という熱いところが伝わってくれば
パンク好きであろうとなかろうと
もっと共感できたはずなんですが。
パンクロック、パンクミュージックそのものの
カッコよさとかエネルギーはあまり伝わって来なかったので
これではパンクがわからないひとに
さっぱりなんのことだか?だし
パンクファンにしてみれば
「パンクを茶化してるだけじゃん」
って感じです。
そこがしっかり描かれれば
それと対比した中年パンクロッカーの悲哀が
もっとくっきりと浮き彫りになったのではないかと思います。
監督は特典映像のインタビューで
「パンクロックコメディ」と言っていますが
監督の“パンク観”ってどういうものなんだろうか。
あくまで“パンクを舞台装置に使ったコメディ”
ということなんでしょうか。


劇中歌の小ネタぶりとかはセンスよくてかなり笑えます。
キャラクター設定も面白い。
田辺誠一のビジュアル系シンガーとか
勝地涼のパッとしないフォーク青年とかは
ホントに笑えます。
下品に演出しても上品に撮れるのは
クドカンの強みでしょうね。
安心して観ていられます。
可愛過ぎる宮崎あおいを観たいひとと
サラっと笑ってサラッと寝たいひとにはオススメです。
ワタクシとしては『タイガー&ドラゴン』くらいに
熱くて周到でしたたかなクドカンを観たいです。
(変なシメだな)

少年メリケンサック スタンダード・エディション[DVD]

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