『許されざる者』(クリント・イーストウッド監督・主演)

DVDにて鑑賞。
クリント・イーストウッド監督第一作。
硫黄島からの手紙』を観て、これも観たいと思ったわけです。
かつては「冷血な殺し屋」として恐れられたが
今は足を洗って堅気に暮らしているガンマン。
老境に差しかかり幼い子どもふたりとの貧しい暮らしに追われる
彼にもちかけられる賞金稼ぎの儲け話。
かくして老いぼれガンマンはターゲットのいる小さな村に旅立つ。


…という話でして。
この老いぼれガンマンをクリント・イーストウッドが演じる。
馬にもうまく乗れず、銃の腕も落ちたガンマンが
最後の一瞬に過去の「冷血な殺し屋」に戻って保安官と対決する。
この保安官をジーン・ハックマンが演じているのだが
主人公に「本当の悪党はお前だ」と言われるほど悪い人には見えない。
過剰な所は多々あるにしても、基本的には村を守ろうとしているわけで。
賞金稼ぎで人殺しをするほうがよっぽど悪党じゃないかと思うんだけど
そのあたりがちょっと観た後消化不良でしたよ。
語り口が丁寧なのとスタイリッシュな映像はマル。
最後の最後に凄腕ガンマンぶりを発揮するクリント・イーストウッドはカッコイイ。
この人はなんだか佇まいがいいよね。
どう考えても悪者、っていう方に感情移入して観られる映画は
世の中にも沢山あるがどうもそのあたりを消化し切れていない気がする。
「本当の悪党はお前だ」というセリフが違うものだったら
観終わったあとの余韻も違ったんじゃないかな。
ちなみにアカデミー賞作品です、これ。

許されざる者 [DVD]

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