『下千鳥』

きのう唄った『下千鳥』。
ライブで唄うのは2度目。
「さぎちじゅやー」と発音します。
「下」というのは「テンポを落とす」という意味。
『浜千鳥節』のメロディをそのままスローテンポにして
情感たっぷりに唄うのがこの『下千鳥』。
歌詞は即興で世の無情や人生の切なさ、やるせなさ、
そういった想いを哀愁を帯びた旋律に乗せて唄う。
沖縄民謡の中でも『ナークニー』や『かいされー』と並んで
情け唄の最高峰と言ってもいい唄です。
ワタクシのような若輩者には
なかなか唄い切れるようなモノではありませんが
「今の自分」なりの『下千鳥』を、その時々に
唄って行けたらいいなあと思います。
沖縄民謡の歌詞は琉歌の「八・八・八・六」で
構成されていることが多いですが
『下千鳥』はその発展形とも言うべき
「八・八・八・六・八・六」で構成されています。
その言葉のリズムとウチナー口独特のイントネーションが生み出す
穏やかに絶え間なく打ち寄せる波のようなグルーヴ感に
しばし身を委ねてみて下さいませ。


   はなにやまあらし ちちぬゆにかしみ
   かかるちりなさや うちゆさらみ
   ちりなさや うちゆ わじゆならん


   (花に山嵐 月ぬ夜に霞
   かかる連りなさや 浮世定み
   連りなさ 浮世 我自由ならん)

 
   しけややまかわに くちきばしかきてぃ
   わたてぃあとぅみりば みぬきだちゅさ
   むじょぬくぬうちゆ わたいかにてぃ


   (世間や山川に 朽ち木橋架きてぃ
   渡てぃ後見りば 身の毛立ちゅさ
   無情ぬ此ぬ浮世 渡いかにてぃ)